MSC Nastran 2018の不具合について

MSC Nastran2018において重大な不具合が見つかりました。詳細はMSCからのお知らせをご覧ください。

MSC Nastran
ご利用ユーザー各位、
平素は、弊社製品をご利用いただき、誠に有難うございます。

この度、MSC Nastran 2018に間違った結果につながる不具合が見つかりましたので、ご連絡いたします。

この不具合は、マトリクスの乗算および加算を行うサブルーチンMPYADにおいて、DENSE、SPARSE、およびDENSE-SPARSEタイプのマトリクスの乗算を実行するときに、十分なメモリが確保できず複数の入力マトリクスでアウトオブコアとなる場合にのみ発生します。現在、不具合の影響を調査しており、修正されたプログラムを2018年9月10日までに提供する予定です。修正バージョンMSC Nastran 2018.1.1(MSC Nastran 2018.0、2018.0.1、および2018.1のリプレース)およびMSC Nastran 2018.2.1(MSC Nastran 2018.2のリプレース)のダウンロード準備が出来次第、MSC Software Solutions Download Center(SDC)より電子メールが送信されます。

間違った結果となる原因を特定するとともに、問題のなかった解析を特定するための手段も確認しました。
MSC Nastran 2018.0、2018.0.1、2018.1、または2018.2で解析されたジョブの.f04ファイル(入力ファイルにDIAG 19があったジョブのみ)をチェックし、MPYADサブルーチンのDENSE、SPARSE、およびDENSE-SPARSE法が複数のマトリクスでアウトオブコアにならなかったことを確認することを推奨します 。確認方法としてDIAG 19があったジョブの.f04ファイルに"ALL MATRICES OUT OF CORE"いうメッセージが出力されなかった場合、結果に問題はありません。
MPYADサブルーチンがマトリクス演算を実行するのに十分なメモリを持っている場合や、単一のマトリクスのみがアウトオブコアとなった場合、結果に問題はありません。MPYADサブルーチンに十分なオープンコアメモリがある場合には、異なる演算方法に対してExhibit A(参考資料A)に示すようなメッセージが表示されます。

MPYADサブルーチンが十分なメモリを持たず、すべてのマトリクスがアウトオブコアとなった場合にのみ、解析結果が間違っている可能性が高くなります。その場合、解析結果が間違っていると判断せざるを得ません。Exhibit B(参考資料B)に示すように「ALL MATRICES OUT OF CORE」というメッセージが出力された場合は、正しい結果を得るためにオープンコアメモリを増やして解析を再実行してください。 適切なメモリ量は、.f04ファイル内の診断メッセージで推定できます。

 

修正されたプログラムをご用意できるまでの間は、MSC Nastran 2017.1までのバージョンをご利用いただくことをお勧めます。
MSC Nastran 2018しかお持ちでないお客様は、できるだけ多くのメモリを指定し、入力ファイルにDIAG 19を追加して実行してください。得られた.f04ファイルをチェックし、「ALL MATRICES OUT OF CORE」というメッセージがない場合、計算結果に問題ありません。
お客様には多大なご迷惑とご不便をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。